



バルパライソ州、太平洋とサンティアゴの間に位置する冷涼産地、カサブランカ・ヴァレー。1980年代にチリで初めて本格的なクールクライメート・ワイン(冷涼気候のワイン)が開拓された地で、ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ、ピノ・ノワールの銘醸地として世界的に知られます。
産地としての歴史
1980年代、醸造家のパブロ・モランデ氏によって、海の影響を受けた冷涼な産地として、チリで初めて本格的な開拓が始まりました。カサブランカは、クールクライメート・ワインの先駆けとして、白ワインとピノ・ノワールの評価を一気に高めた象徴的な産地です。
気候の特徴
フンボルト海流がもたらす太平洋からの朝霧と海風の影響で、内陸の産地より大幅に冷涼です。ゆるやかな成熟によりフレッシュな酸味と豊かな香りが保たれる一方、春の遅霜がリスクとなることもあります。
地形の特徴
カサブランカは、海岸山脈(コルディジェラ・デ・ラ・コスタ)の中に開けた、なだらかな丘陵性の盆地にあります。この一帯は海岸山脈の標高が低く途切れているため、太平洋の冷たい空気と朝霧が内陸まで入り込みます。畑は盆地の底から斜面にかけて広がり、海に近い西側ほど冷涼になります。
地質の特徴
カサブランカの土壌は大きく2つに分かれます。盆地の底は砂質や沖積由来のローム質が中心で保水性があり、朝晩冷え込みやすいことから白ブドウに向きます。一方、周囲の丘陵斜面では花崗岩が風化した赤みを帯びる粘土質土壌が広がり、水はけがよく、ピノ・ノワールやシラーなどの赤に適します。この土壌の違いが、同じ渓谷の中で白・赤双方の個性を生み出しています。
品種の特徴
看板はソーヴィニヨン・ブランで、カサブランカの名を世界に知らしめた品種です。シャルドネも主要品種として高く評価され、冷涼さを映した繊細なピノ・ノワールも産地を代表します。さらに、黒胡椒を思わせる冷涼地ならではのシラーやメルロー、少量ながらリースリング、ゲヴュルツトラミネール、ヴィオニエといった芳香性品種も栽培されています。
ワインのスタイル
ソーヴィニヨン・ブランは、柑橘、青草やハーブ、ときにパッションフルーツのニュアンスが重なります。シャルドネは果実味とミネラル感のバランスがとれ、樽を用いたものから非樽熟成タイプまで幅があります。ピノ・ノワールは赤系果実の繊細な香りと冷涼感のある酸が魅力で、冷涼地シラーはスパイシーで引き締まった味わい。全体に、鮮やかな酸と比較的控えめなアルコール、豊かな香りが共通する特徴です。
主なワイナリー/生産者
※本拠地は別にありますが、この産地のブドウから一部のワインを生産しています。
