



バルパライソ州の沿岸、太平洋にほど近いチリ屈指の冷涼産地、サンアントニオ/レイダ・ヴァレー。海風とフンボルト海流の影響を受け、塩味とミネラルを帯びたソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワールで世界的な評価を確立しています。冷涼な銘醸地レイダ渓谷を内包します。
産地としての歴史
1997〜98年、大手ワイナリーのViña Leyda(ヴィーニャ・レイダ)がこの海沿いの丘陵地に冷涼地栽培の可能性を見いだしたのが端緒です。2002年にはレイダがサンアントニオの独立した呼称(DO)として認められ、Casa Marín(カサ・マリン)やMatetic(マテティッチ)など新たな造り手も加わり、30年足らずでチリ有数の冷涼産地・輸出産地へと成長しました。
気候の特徴
太平洋とフンボルト海流の影響を強く受け、朝は海霧に包まれ、午後は冷たい海風が吹き込みます。緯度のわりに大幅に冷涼で、生育期間が長くなるのが特徴です。ゆっくりと成熟することで、フレッシュで張りのある酸を保ちながら、凝縮した香りが育まれます。
地形の特徴
サンアントニオ/レイダ・ヴァレーは、太平洋に並行して連なる、海岸山脈の起伏に富んだ丘陵地帯です。畑の多くは海から十数km以内・標高200m前後に位置し、海の冷気をまともに受けます。レイダ、ロ・アバルカ、ロサリオ(サン・ロサリオ)といったサブゾーンを含み、なかでもロ・アバルカは海に最も近い、ひときわ冷涼な一角です。
地質の特徴
花崗岩を基盤とし、その上に粘土やローム質の表土がのる、水はけのよい土壌です。地力は低く、ブドウの樹は厳しい環境で根を深く張り、小粒で凝縮した果実を実らせます。区画によっては石灰質の層も見られ、ワインに明確なミネラル感と塩味(サリニティ)をもたらします。
品種の特徴
ソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールが二枚看板です。加えてシャルドネ、冷涼地ならではのスパイシーなシラー、さらにリースリングやゲヴュルツトラミネール、ソーヴィニヨン・グリといった芳香性品種も栽培されています。
ワインのスタイル
ソーヴィニヨン・ブランは、柑橘やパッションフルーツの香りに、青いハーブのニュアンスと、塩気を感じさせる鋭い酸が重なります。ピノ・ノワールは繊細な赤い果実と、引き締まった骨格が魅力。冷涼地のシラーはスパイシーでエレガントな味わいです。いずれも、海と花崗岩土壌に由来する張りのある酸とミネラル感が共通する特徴です。
主なワイナリー/生産者
※本拠地は別にありますが、この産地のブドウから一部のワインを生産しています。
