



オイギンス州、ラペル地区の北半分を成す産地、カチャポアル・ヴァレー。温暖なペウモはチリを代表するカルメネールの銘醸地として知られ、アンデス山麓のアルト・カチャポアルでは標高を活かしたよりエレガントな赤が造られています。
産地としての歴史
オイギンス州、ラペル地区の北半分を構成する古くからの赤ワイン産地です。長くコルチャグアの陰に隠れた存在でしたが、温暖なペウモがカルメネールの銘醸地として注目され、評価が高まりました。ペウモは1994年に独立した呼称(DO)に認定され、チリ初のスーパープレミアム・カルメネール「カルミン・デ・ペウモ」を生んだ地としても知られます。近年はアンデス山麓のアルト・カチャポアルでも、標高を活かしたエレガントな赤の開拓が進んでいます。
気候の特徴
温暖な地中海性気候で、夏は暑く乾燥し、冬に雨が降ります。アンデスの雪解け水で灌漑され、全体に赤ワインに向いた気候です。山側のアルト・カチャポアルは日照に恵まれる一方、標高が高く夜間に冷え込むため、よりゆっくりと成熟します。ペウモ周辺は海岸山脈に囲まれて守られつつ、太平洋からの涼しい風の恩恵も受けます。
地形の特徴
アンデス山脈と海岸山脈に挟まれた、ランカグア盆地を中心とする渓谷です。カチャポアル川がアンデスから西へ流れ、ラペル湖へと注ぎます。東のアンデス山麓「アルト・カチャポアル」は斜面が広がる冷涼な一帯、西のペウモやサン・ビセンテ周辺は温暖な低地で、同じ渓谷でも「どの谷か」以上に「山と海のどちらに近いか」で性格が大きく変わります。
地質の特徴
区画によって土壌が大きく異なります。東のアルト・カチャポアル側は、アンデスから運ばれた砂利質・砂質の崖錐土壌(コルビアル)で水はけがよく、収量を抑えて凝縮した果実を生みます。西のペウモ周辺はより肥沃なローム質で、花崗岩の基盤の上に粘土・砂・シルトが重なり、カルメネールに理想的とされます。
品種の特徴
カルメネールが象徴的な品種で、とりわけペウモ産はチリ屈指の評価を得ています。カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、メルロー、マルベックも主要で、アルト・カチャポアルではエレガントなカベルネやシラーが生まれます。少量ながら、ヴィオニエやシャルドネ、ピノ・ノワールなどの品種も試みられています。
ワインのスタイル
温暖な低地は、厚みのある果実味とまろやかなタンニンを備えた力強い赤。アルト・カチャポアルの山麓は、冷涼感のある引き締まった、よりエレガントなスタイルです。看板のカルメネールは、熟したベリーやサワーチェリーに、ローズマリーや黒胡椒、ほのかな緑のハーブの香りが重なる、しなやかで奥行きのある味わいが特徴です。
主なワイナリー/生産者
※本拠地は別にありますが、この産地のブドウから一部のワインを生産しています。
