



アラウカニア州、マジェコのさらに南に位置する新興産地のカウティン・ヴァレー。先住民マプチェの故郷でもあるこの地で、火山性土壌と冷涼な気候を活かした実験的な小規模ワイン造りが始まっています。冷涼地品種の将来の銘醸地として期待されています。
産地としての歴史
カウティン・ヴァレーは、マジェコのさらに南、チリ最南のワイン産地群「アウストラル地域」に属する、新興のサブリージョンです。サンティアゴから南へ600km以上、ペルケンコとガルバリーノという2つの町(コムーナ)にまたがります。先住民マプチェの文化が息づく土地で、ワイン造りはごく最近、実験的に始まったばかり。アウストラル地域のDOを名乗るワインが初めて生まれたのは2013年ヴィンテージで、産地としてはまさに黎明期にあります。
気候の特徴
チリのワイン産地の中でも、最も冷涼で雨が多い地域のひとつです。湿潤で生育期間が短く、霜のリスクもありますが、その冷涼さこそが個性の源です。ピノ・ノワールはシャルドネやソーヴィニヨン・ブランより早く熟し、張りのある酸とアロマを保ちます。
地形の特徴
中央部の平地(やや温暖で沖積土が多い)から、海岸山脈(コルディジェラ・デ・ラ・コスタ)に向かう冷涼な斜面(火山性土壌が多い)まで、変化に富みます。畑はペルケンコやガルバリーノの周辺にごく小規模に点在し、栽培面積は今のところ数ヘクタール規模にとどまります。
地質の特徴
火山に由来する土壌が中心で、粘土や、一部には石灰質(チョーク質)の土壌も混じります。これらが冷涼な気候と相まって、ミネラル感に富み、引き締まった酸を備えたブドウを生みます。
品種の特徴
冷涼地に適した品種が中心で、ピノ・ノワールとシャルドネが作付けの大半を占めます。わずかながらソーヴィニヨン・ブランやリースリングも植えられ、近年は瓶内二次発酵によるスパークリングワインの可能性も注目されています。
ワインのスタイル
カウティン・ヴァレーのワインは、冷涼な気候を映した、いきいきとした酸とアロマの華やかさ、エレガントなミネラル感が特徴です。アルコールは控えめで、繊細でフレッシュなワインが生まれます。生産量はごくわずかで、多くが少量生産の実験的なキュヴェですが、その品質の高さから将来の銘醸地として期待が高まっています。
